養生訓21

「凡(およそ)養生の道は、内慾をこらゆるを以(もって)本(もと) とす。
本をつとむれば、元気つよくして、外邪をおかさず。内慾をつつしまずして、元気よはければ、外邪にやぶれやすくして、大病となり天命をたもたず。」

意訳

健康法の基本は、自己の欲望を抑えることにあります。
この原則を守れば健康になり、気候や環境の変化にも対応できる体力が備わります。
逆に、欲望のおもむくままに生活すると気候や環境の変化に耐えれなくなり、大病になったりして、寿命を縮めることになります。

通解

養生の道は、内的な欲望を抑えることを基本とします。
内的な欲望を抑えることで、元気が強くなり、外的な邪気を入れ込みません。内的な欲望を慎むことなく元気が衰えれば、外的な邪気によって容易に病気にかかり、長寿を保つことができません。

外邪(がいじゃ)とは

「外邪(がいじゃ)」は、伝統的な東洋医学や中医学における概念で、体内に入り込んだ異常な要因や病因を指す用語です。外邪はしばしば風、寒、暑、湿、火などの自然の要因に関連付けられ、これらの要因が体内に侵入することによって、体の調和を乱し、病気や不調を引き起こすと考えられています。

外邪の種類は、季節、気候、個人の体質などに応じて異なります。たとえば、「風邪」は風が主な外邪として関連付けられ、風の要因が体内に入り込んだときに引き起こされるとされています。同様に、「暑邪」は暑い気候からくる要因、 「寒邪」は寒冷な気候からくる要因と関連付けられます。

東洋医学や中医学では、外邪の影響を受けた場合、体内のエネルギーの流れや調和を取り戻すために、鍼灸療法、漢方薬、食事療法、運動など、さまざまな治療法が用いられることがあります。この概念は、東洋医学の伝統的な診断と治療において重要な要素の一つであり、体のバランスを回復させるために外邪の影響を取り除くことが目指されます。

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