養生訓422

右に、しるせる所は、古人の言をやはらげ、古人の意をうけて、おしひろめし也。又、先輩に,きける所多し、みづから試み、しるしある事は、臆説といへども,しるし侍(はべ)りぬ。是、養生の大意なり、其(その)条目の詳(つまびらか)なる事は、説(せつ)つくしがたし。保養の道に志あらん人は、多く個人の書を、よんでしるべし、大意通じても、其 (その) 条目の詳なる事をしらざれは、其道を尽くしがたし。愚生(ぐせい)、昔、わかくして書をよみし時、群書(ぐんしょ)の内、養生の術を説ける古語をあつめて、門客(もんかく)に、さづけ、其門類を、わかたしむ。名づけて頤生輯要(いせいしゅうよう)と云う。
養生に志あらん人は、考がへ見給ふべし。ここにしるせしは、其要をとれる也。

八十四翁(おきな)  貝原篤信(かいばらあつのぶ)書

生徳三巳癸(みき)年 正月吉日

通解

古代の文献や先人の教えは、養生や健康に関する知識を伝える上で重要な情報源です。先輩や先人の経験や知恵に学ぶことは、自身の養生のために役立つでしょう。ただし、詳細な内容や具体的な条目については、説明が難しい場合もあります。そのため、個々の目標や関心に応じて、多くの書物を読み、情報を収集することが重要です。大まかな意味や概要を理解できても、詳細な内容を理解しなければ、養生の道を十分に歩むことはできません。過去には、私自身も若い頃に多くの書物を読み、養生に関する古語や教えを集め、門下生や弟子に伝えることがありました。それが「頤生輯要(いせいしゅうよう)」という、この書です。
養生に興味を持つ方は、参考にすることをお勧めします。ただし、自身で考えることが重要です。ここに示したのは、その要点となる内容です。養生に関心のある方は、自分自身で学びを深めていくことをお勧めします。

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