養生訓41(巻第一総論上)

「然(しか)るに、いやしき小芸(しょうげい)には必(かなら)ず、師をもとめ、おしへをうけて、その術をならふ。
いかんとなれば、その器用(きよう)あれども、その術を、まなばずしては、なしがたければなり。
人の身は、いたりて貴(とう)とく、是を、やしなひて、たもつは、至(いた)りて大(だい)なる術なるを、師なく、教なく、学ばず、習はず、これを養ふ術をしらで、わが心の慾にまかせば、豈(あに)其道を得(え)て生れ付たる天年(てんねん)をよくたもたんや。故(ゆえ)に生(せい)を養なひ、命をたもたんと思はば、其術を習はずんばあるべからず。」

意訳

様々な技術の習得には、時間と鍛錬が必要です。
どんなに優秀な人であっても、的確な指導があれば向上はより早いです。
特に、命のことは大切なことです。養生の方法を学びましょう。

通解

確かに、さまざまな小芸や技術を習得するには、必ず師を求め、指導を受けることが必要です。器用であっても、その術を学ばなければ、そのことを成し遂げることは難しいでしょう。

人の身は尊く、その命を大切に保つためには、その養生の術を師から学び指導を受けることが重要です。
自己の欲望にまかせているだけでは生まれ持った天年をしっかりと維持することはできません。
ですから、生を養い命を守るためには、その術を学ばなければなりません。

生涯を豊かに過ごし長寿を得るためには自らの意志でその術を学び習得することが欠かせません。
その術を学ばなければ適切に身を養い命を守ることは難しいでしょう。だからこそ、その術を習得することは重要だと言えます。

気づき

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