養生訓63

「然(しか)るに、いやしき小芸(しょうげい)には必(かなら)ず、師をもとめ、おしへをうけて、その術をならふ。
いかんとなれば、その器用(きよう)あれども、その術を、まなばずしては、なしがたければなり。
人の身は、いたりて貴(とう)とく、是を、やしなひて、たもつは、至(いた)りて大(だい)なる術なるを、師なく、教なく、学ばず、習はず、これを養ふ術をしらで、わが心の慾にまかせば、豈(あに)其道を得(え)て生れ付たる天年(てんねん)をよくたもたんや。故(ゆえ)に生(せい)を養なひ、命をたもたんと思はば、其術を習はずんばあるべからず。」

意訳

様々な技術の習得には、時間と鍛錬が必要です。
どんなに優秀な人でも、的確な指導があれば向上は早いです。
特に、命のことは大切なことです。養生の方法を学びましょう。

通解

確かに、さまざまな小芸や技術を習得するには、必ず師を求め、指導を受けることが必要です。器用であっても、その術を学ばなければ、そのことを成し遂げることは難しいでしょう。

人の身は尊く、その命を大切に保つためには、その養生の術を師から学び、指導を受けることが重要です。自己の欲望にまかせているだけでは、生まれ持った天年をしっかりと維持することはできません。ですから、生を養い、命を守るためには、その術を学ばなければなりません。

生涯を豊かに過ごし、長寿を得るためには、自らの意志でその術を学び、習得することが欠かせません。その術を学ばなければ、適切に身を養い、命を守ることは難しいでしょう。だからこそ、その術を習得することは重要だと言えます。

気づき

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