養生訓61

「かけまくも、かたじけなき天照皇大神(あまてらすおおみのかみ)も、みづから神の御服(ごふく)を、おらせ、たまひ、其(その)御妹(みいもと)稚日女尊(わかひるめのみこと)も、斎機殿(いみはたどの)に、ましまして、神の御服(ごふく)を、おらせ給ふ事、日本紀(にほんき)に見えたれば、今の婦女(ふじょ)も、昔かかる女のわざを、つとむべき事こそ、侍(は)べれ。
四民ともに、家業をよくつとむるは、皆是、養生の道なり。つとむべき事を、つとめず、久しく安坐し、ねぶり臥す事をこのむ。是(これ)大(おおい)に養生に害あり。かくの如くなれば、病おほくして短命なり。戒(いさ)むべし。」

意訳

大昔の書である日本書記にも、貴い方でさえ働いていたと書いてあります。
長く同じ姿勢で過ごしたり寝過ぎは健康に良くないです。

通解

天照皇大神や稚日女尊のような尊い存在であっても、みずから神の御服を整え、手を動かして労働する姿が日本紀に記されています。現代の婦女も、かつてのような女性の姿を見習い、家業や家事をよく努めることが養生の道となります。家族全員が家業に尽力することは、健康を保つために重要なことです。

それに対して、何もせずに長時間座っていたり、寝ることばかりを好むことは、健康に害を及ぼす可能性があります。そのような生活をしていると、病気にかかりやすく、寿命も短くなってしまいます。これらの点に注意し、努力することを戒めるべきです。

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