養生訓22

「ことに食後には、必数百歩、歩行すべし。もし久しく安坐し、又、食後に穏坐し、ひるいね、食気いまだ消化せざるに、早くふしねぶれば、滞りて病を生じ、久しきをつめば、元気発生せずし

意訳

食後は、歩いた方が良いでしょう。

通解

特に食事の後には、必ず数百歩歩行することが大切です。もし長時間座り続けたり、食後に静かに座っていて、まだ食べ物が消化されていない状態で急に寝転んでしまうと、消化不良や病気の原因となります。早めに適度な運動を行わなければ、体内のエネルギーが停滞し、元気が生じません。

「穏坐」(おんざ)とは

「穏坐」(おんざ)は、日本の仏教用語で、特定の坐禅(座禅)の状態を指す言葉です。坐禅は、仏教の修行法の一部であり、座った状態での瞑想を行うことを指します。穏坐は、その中でも特に「穏やかな坐禅」を意味します。穏坐は、身体と心を穏やかで静かな状態にし、思考や感情の乱れを静め、精神的な平穏を求めるために行われます。これは、仏教の禅宗や禅修行において重要な要素の一つであり、修行者は座禅を通じて自己観察や悟りを追求するために穏坐を行います。穏坐の実践には、正しい座り方や呼吸法、心の集中などが含まれます。坐禅の実践者は、通常、特定のポーズで座り、呼吸に注意を向け、心を落ち着かせ、外部の刺激や思考に左右されないよう努力します。この過程で、内面の平和と洞察を深めることが期待されます。穏坐は、日本の仏教修行や禅宗の伝統で広く行われており、精神的な成長や自己超越を追求する人々にとって重要な実践とされています。

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