養生訓6(巻第一総論上)

「是(これ)人生第一の大事なり。人身(じんしん)は至(いた)りて貴(とお)とくおもくして、天下四海(てんかしかい)にも、かへがたき物にあらずや。然(しか)るに、これを養なふ術(じゅつ)をしらず、慾を恣(ほしいまま)にして、身を亡ぼし命をうしなふ事、愚(おろか)なる至り也(なり)。」

一番大事ものは何か? それは健康である。 健康を維持するための知恵を身につけなければならない。
生きて行く中で一番大切なのは健康です。世の中のすべての財産があっても自分の命には代えられません。
養生の術を知らないことで短命になることは、とても愚かなことです。

通解

「これは人生において最も重要なことです。人の身体は非常に貴重であり世界中のどんなものとも比べることができません。
しかし、それにもかかわらず私たちは自己の養生方法を知らず欲望にまかせて身体を壊し命を失う愚かな行為をしてしまうことがあります。」

「天下四海」(てんかしがい)とは

「天下四海」(てんかしがい)は、中国の伝統的な表現で、広大な領域や勢力の支配を指す言葉です。この表現はしばしば古代中国の統治者や帝王が自分の支配領域を表現する際に用いられました。具体的には、以下のような意味が含まれています:

天下(てんか):「天下」は「天下国家」とも訳され、文字通りには「天下」や「世界」を指します。これは、統治者や帝王がその支配領域を広大で普遍的であると主張するために用いた言葉です。彼らは自分の支配がすべての土地や人々に及んでいると考え、その威信を示すために「天下」を強調しました。

四海(しかい):「四海」は「四方の海」とも訳され、中国の伝統的な地理的表現の一つで、広大な海洋を指します。この表現は、統治者が自分の支配が東西南北、四方に広がっていることを強調するために用いられました。

したがって、「天下四海」は、統治者や帝王が自分の支配が全世界に及んでおり、広大で普遍的であることを表現するための演出的な表現として用いられました。