養生訓119

わかき時より、老(おい)にいたるまで、元気を惜むべし。年わかく健康(けんこう)なる時よりはやく養ふべし。つよきを頼(たの)みて、元気を用(もちい)過(すご)すべからず。わかき時、元気をおしまずして、老て衰(おとろ)へ、身よはくなりて、初めて保養するは、たとへば財多く富める時、おごりて財をついやし、貧窮(ひんきゅう)になりて財(ざい)ともしき故、初めて倹約(けんやく)を行ふが如し。行はざるにまされども、おそくして其(その)しるしすくなし。

意訳

生活習慣の改善は、若い時から行う方が良いでしょう。
老後に、その差は出てきます。

通解

若い時から老いるまで、元気を大切に保つことは重要です。若い時の健康な状態を活かして、老いてから元気を保つためには、元気を養う努力を早いうちから行うことが必要です。無理に元気を使い過ぎて消耗しないようにしましょう。若い時に元気を大事にし、老いてから初めて元気を保つことになるのは、富んでいる時に贅沢をし、財産を浪費し、貧しくなって初めて倹約を始めるのと似ています。行動しない限り、初めてその影響を感じることは少ないでしょう。

気づき

生活習慣の改善は早ければ早い方が良いと聞いたことがあります。結果はどうであれ、後悔は少ないと思います。



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