養生訓89(巻第二総論下)

人に対して、喜び楽しみ甚(はなはだし)ければ、気ひらけ過(すぎ)てへる。我ひとり居(い)て、憂(うれい)悲(かなし)み多ければ、気(き)むすぼほれてふさがる。へるとふさがるとは、元気の害なり。

意訳

人間関係において、あまりにも、気を使いすぎると元気が減ります。気を無駄に使ってはいけません。逆に、孤独も気をふさぎます。減るも塞ぐも元気の害です。

通解

他人との交流において、喜びや楽しみが過度に多いと気が高ぶりすぎてしまいます。逆に、ひとりでいる際に悩みや悲しみが多いと気持ちが萎えてしまします。気持ちが過度な高揚や萎縮は健康に害をもたらします。

気づき

人間関係の難しさは、今も昔も変わらないようです。憂いや悲しみが多ければ過度のストレスになり気が減るのは自然です。

まずは、自分の過度のストレスの原因の究明と対策が必要かも知れませんね。