養生訓94(巻第二総論下)

凡(およそ)よき事あしき事、皆、ならひよりおこる。
養生のつゝしみ、つとめも亦しかり。とめ行ひておこたらざるも、慾を、つゝしみこらゆる事も、つとめて習へば、後には、よき事になれて、つねとなり、くるしからず。
又、つゝしまずして、あしき事になれ習(なら)ひ、くせとなりては、つゝしみつとめんとすれども、くるしみてこらへがたし。

意訳

良いことも悪いことも癖や習慣で左右されます。生活改善も同じことが云えます。最初は、大変ですが、慣れてしまえば後は、楽になります。悪い癖や習慣が、長引けば、改善が難しくなります。

通解

世の中の良いことも悪いことも慣習で左右されます。努力を怠らずに行動することも、欲望や悪癖を避けることも、最初は難しいかもしれませんが、続けて実践することで後には良い結果となり習慣となります。同様に、最初は怠りなく行動しても、悪い習慣を身につけることで後には悪い結果となり苦しむことになります。

気づき

生活習慣病という言葉があります。まさに、分かりやすい言葉です。知識は意識を変え、意識は習慣を変えます。

習慣が変われば人生が変わります。良い習慣に変えることは、今日からでも行うことが良いでしょう。