養生訓117

凡(およそ)よき事あしき事、皆、ならひよりおこる。
養生のつゝしみ、つとめも亦しかり。とめ行ひておこたらざるも、慾を、つゝしみこらゆる事も、つとめて習へば、後には、よき事になれて、つねとなり、くるしからず。
又、つゝしまずして、あしき事になれ、習(なら)ひ、くせとなりては、つゝしみつとめんとすれども、くるしみてこらへがたし。

意訳

良いことも悪いことも癖や習慣で左右されます。生活改善も同じことが云えます。最初は、大変ですが、慣れてしまえば後は、楽になります。悪い癖や習慣が、長引けば、改善が難しくなります。

通解

良いことも悪いことも、ほとんどは予想よりも早く起こるものです。養生の原則や慣習も同様です。努力を怠らずに行動することも、欲望や悪癖を避けることも、最初は難しいかもしれませんが、続けて実践することで後には良い結果となり、習慣となります。同様に、最初は怠りなく行動しても、悪い習慣を身につけることで後には悪い結果となり、苦しむことになります。

要するに、良いことも悪いことも、行動の積み重ねや習慣によって形成されることが多いということです。予期せぬ変化や結果もあるかもしれませんが、行動の質や方向性が結果に影響を与えることを念頭に置いておくべきです。

気づき

生活習慣病という言葉があります。まさに、分かりやすい言葉です。知識は意識を変え、意識は習慣を変えます。

習慣が変われば人生が変わります。良い習慣に変えることは、今日からでも行うことが良いでしょう。

前の記事

養生訓116

次の記事

養生訓118