養生訓7(巻第一総論上)

「身命と私慾(しよく)との軽重(けいちょう)をよくおもんばかりて、日々に一日を慎(つつ)しみ、私慾(しよく)の危(あやうき)を,おそるる事、深き淵(ふち)にのぞむが如(ごと)く、薄き氷をふむが如くならば、命ながくして、ついに殃(わざわい)なかるべし。

意訳

健康であることの感謝を忘れず、日々、病気にならないように不規則な生活を戒めることが健康の秘訣である。

通解

一番大切なものは、命と健康です。そして、次に、私慾が満たされる喜びです。この軽重をよく考え、日々慎重に行動することです。
私慾による危険を恐れ、深い淵を覗くような気持ちで薄い氷を踏むような慎重さを持つことが重要です。
このような姿勢で生きることで、命を長く保ち、最後には災厄に見舞われることもなくなるでしょう。

「軽重」とは

「軽重」という言葉は、物事や問題の重要性や優劣を比較するために使われる表現です。
具体的には、以下のような意味や用法があります:

問題の軽重:何か問題や課題に対して、それがどれだけ重要であるか、あるいは軽微であるかを評価するときに使われます。
軽重の判断は状況や文脈に依存し、重要な問題には真剣に取り組み、軽微な問題にはあまり気にしない、といった風に使われます。