養生訓174

煮(に)過(すご)して、にえばなを失なへる物と、いまだ煮(に)熟(じゅく)せざる物くらふべからず。魚を煮るに、煮(に)ゑ(え)ざるはあしゝ。煮過してにえばなを失なへるは味なく、つかへやすし。よき程の節(せつ)あり。魚を蒸(むし)たるは久しくむしても、にえばなを失なはず。魚をにるに水おおきは味なし。此事、李笠翁(りりゅうこう)が閑情寓寄(かんじょうぐうき)にいへり。

意訳

魚を煮るときは、ほどよく煮ましょう。よく煮えていないものは食べない方が良いでしょう。しかし、味が無くなるほど煮すぎてもいけません。古書に、魚は長く蒸しても味を失いませんが、水を多くして煮ると味を失うと書いてあります。

通解

食材を煮過ぎると、栄養が失われたり、まずいものになることがあります。また、まだ煮熟していないものを食べるべきではありません。魚を煮る場合、十分に煮えていないものは硬く、過煮にすると風味が失われ、かさばりやすくなります。適切な調理のタイミングがあります。

魚を蒸す場合、しっかり蒸しても、栄養が失われることはありません。魚を煮る際に多くの水を使うと、風味が薄くなることがあります。

これらのことについては、詩人李笠翁の『閑情寓寄』という作品でも触れられています。

気づき

食材の良し悪しも、料理の方法一つで変わると聞いたことがあります。その食材の特徴を熟知し、料理の方法を考えるのも、認知症の予防になるのかも知れませんね。



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