養生訓173

朝食(ちょうしょく)いまだ消化せずんば、昼(ひる)食(しょく)すべからず。点心(てんしん)などくらふべからず。昼(ひる)食(くい)いまだ消化せずんば、夜(よる)食(しょく)すべからず。前夜の宿食(しゅくしょく)、猶(なお)滞(とどこう)らば、翌朝(よくちょう)食すべからず。或(あるいは)半減し、酒肉をたつべし。およそ食傷(しょくしょう)を治する事、飲食をせざるにしくはなし。飲食をたてば、軽症は薬を用ずしていゆ。養生の道しらぬ人、殊(こと)に婦人は智(ち)なくして食滞(しょくとどこおり)の病にも早く食をすゝむる故、病おもくたる。ねばき米湯(こめゆ)など殊に害となる。みだりにすゝむべからず。病症により、殊に食傷の病人は、一両日(いちりょうじつ)食せずしても害なし。邪気(じゃき)とゞこほりて腹みつる故なり。

意訳

朝食が、未だ消化していない時は、昼食は摂らない方がよいでしょう。食あたりの場合、絶食も効果があります。むやみに、薬に頼ってはいけません。

通解

朝食をまだ消化していない場合、昼食を摂るべきではありません。また、点心などの軽い食べ物も避けるべきです。昼食をまだ消化していない場合、夜食を摂るべきではありません。前夜の宿泊先での食事がまだ胃に残っている場合も、翌朝食事を摂るべきではありません。このような場合、食事を半分に減らすか、酒や肉を控えることが良いでしょう。食傷を治療するには、飲食を避けることが重要です。飲食を制限することで、軽度の症状は自然に回復することがあります。養生の方法を知らない人々、特に婦人たちは食に対する知識がなく無理に食事を勧めるため、食滞の病気になりやすく、病気が重くなることがあります。硬い米を煮た湯などは特に害となりますので、無理に摂るべきではありません。病症に応じて、特に食傷の病気の人々は、1〜2日食事を抜いても害はありません。体内に邪気が溜まって腹が張っているのが原因です。

気づき

時間を持て余すようになるとついつい間食するようになります。何かに熱中している時は、食べることも忘れている時もあります。自由な時間があることが、決して身体に良いとは限らないと思う今日この頃です。

「点心」とは

「点心」(てんしん)は、広東料理や中華料理で使われる言葉で、主に軽食やディムサム(点心)として知られる小さな料理や点心のことを指します。これには、蒸し物、揚げ物、焼き物、餃子、小籠包(小籠包)、春巻き、肉まん、焼売(しゅうまい)などが含まれます。

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