養生訓47(巻第一総論上)

「答て曰(いわく)、およその事(こと)、常(つね)あり、変(へん)あり。常に居(い)ては常を行なひ、変に、のぞみては変を行なふ。其時(そのとき)にあたりて義に、したがふべし。無事の時、身をおもんじて命を、たもつは、常に居(い)るの道なり。
大節にのぞんで、命をすてて、かへり見ざるは、変に、おるの義なり。常に,おるの道と、変に居るの義と、同じからざる事を、わきまへば、此(この)うたがひ、なかるべし。」

意訳

その答えとしては、人生には、いろいろな事があります。その事ごとに臨機応変に対応すべきです。常に起こる事と大事の時のことを一緒にしてはいけません。

通解

答えて言うと、世の中には常に状況が変化するものです。常に居る場合は常に適切な行動を取り、変化に対してはその変化に適応した行動をするべきです。その時々に応じて義を貫くことが大切です。安穏とした時には、自分の身を大切にし命を守ることが常の道であります。一方で、重大な決断や行動が求められる時には、身を犠牲にしてでもその義を貫くことが変の義であります。常に同じ考え方や行動ではなく、状況に応じて臨機応変に対応することが重要です。

およその事、常あり、変あり。常に居ては常を行なひ、変に、のぞみては変を行なふ。とは

「およその事(こと)」:一般的なことや普遍的な事柄
「常(つね)あり」:常に存在する、常に行われる
「変(へん)あり」:変化がある、異なることもある
「常に居(い)ては常を行なひ」:普段の状態や習慣を守りつつ、その状態を維持する
「変に、のぞみては変を行なふ」:新しいことや異なることにも興味を持ち、それを試みる

この文は、人生や行動に対する教訓として解釈できます。日常の中で、常に慣れ親しんだことを実践しつつ、新しいことにも挑戦し、変化を受け入れることが大切だというメッセージを含んでいます。バランスを取りながら、変化と安定を両立させることが重要です。