養生訓70

「君子(くんし) の道は,時宜(じき)に,かなひ、事変(じへん)に随(したがい)ふを
よしとす。たとへば、夏は,かたびらを着、冬は、かさねぎするが如し。
一時(いちじ) を、つねとして、一偏(いっぺん)に、かかはるべからず。
殊(こと)に、常の時、身を養(やしな)ひて、堅固(けんご)にたもたずんば、大節(たいせつ)にのぞんでつよく、戦(たたか)ひを、はげみて命をすつる事、身よはくしては成(なり)がたかるべし。
故に,常(つね)の時よく気を養(やし)なはば、変(へん)にのぞんで、勇(いう)あるべし。」

意訳

賢い人は、事に応じて対応します。例えば、夏は薄着になり、冬には厚着になります。偏った考え方ではいけません。
いざという時のために、養生は必要です。

通解

柔軟に対応することを良しとします。たとえば、夏は薄着で過ごし、冬は厚着をするように、季節や状況に合わせた身の振る舞いをします。一方で、一つの考え方や行動に固執せず、さまざまな側面を理解する必要があります。

特に、平穏な時期には心身を養い、しっかりとした基盤を築いておかなければ、重大な決断を求められる時に強く立ち向かうことができません。常に自分の心身の健康を大切にし、堅固な土台を築くことで、危機的な状況に果敢に立ち向かい、勇気を持って戦い抜くことができるのです。

したがって、日常の安定した時にはよく気を養い、変化する状況に備えて心を鍛えることが、大切です。

「大節」とは、

「大節」(たいせつ)について、以下の使用例を説明します。

音楽の文脈での「大節」:音楽理論において、音楽のリズムや拍子を区切る単位として「大節」が使われます。

話や文章の文脈での「大節」:文章や物語の中で、重要な出来事や区切りを指す言葉として「大節」が使用されることがあります。これは物語の進行や構造に関連するもので、大きな展開や転機を指すことがあります。例えば、小説や映画のプロットを分析する際に、「大節」を議論することがあります。

他の文脈での「大節」:「大節」は、他の文脈でも使用されることがあり、その文脈に応じて異なる意味を持つことがあります。一般的には、大きな区切りや重要な要素を指す言葉として使われます。

気づき

年齢を重ねてくると経験則も増し、物事への分別もつくようになります。

逆に、それがネックになり新しい挑戦への意欲を削ぐ結果となったりもします。

固定観念を捨てて、変化が激しい時代に、臨機応変に対応することも必要かも知れませんね。

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