養生訓17

美味をくひ過し、ほううんをのみ過し、色をこのみ、身を安逸にして、おこたり臥すことを好む。
皆これ、わが身を愛し過す故に、かへつてわが身の害となる。
また、無病の人、補薬を妄に多くのんで病となるも、身を愛し過すなり。
子を愛し過して、子のわざはひとなるが如し。

意訳

おいしい料理を食べすぎ、旨いお酒を飲み過ぎ、性を好み、身体を使わず、だらだら寝ているのが好きだという人は、みな自分の身体をいたわり過ぎるので、かえって身体の害になる。
まだ、病気でもないのに、薬や栄養剤をやたらに飲んで、かえって病気になるのも、身体を愛しすぎるためである。
子供への溺愛は、かえって子供に良くないことに似ている。

通解

美味に過度にふけり、豪運に浸り、外見にこだわり、身を安逸にし、怠けて横になることを好む。
これらは皆、自分の身を過度に愛するが故に、自身に害をもたらす結果となる。
また、無病の人が過剰に補薬を摂取して病気になるのも、身を愛し過ぎるためである。
子供を過度に愛しすぎて、子供の害になることもある。

補薬とは

「補薬」という言葉は、一般的には医療や健康の文脈で使用されます。この用語はいくつかの異なる意味を持つことがありますが、主な意味としては以下の2つがあります。

補助薬(Supplement):
補薬は、通常の食事から得られない栄養素を提供するための製品やサプリメントのことを指します。

補療薬(Adjuvant Therapy):
補薬は、医療の文脈でしばしば「補助療法」とも呼ばれ、特定の疾患や病態に対する主要な治療法に追加して行われる治療や薬物療法を指します。

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