養生訓18

「萬(よろず) つとめてやまざれば、必(かならず)験(しるし)あり。
たとへば、春たねをまきて夏よく養へば、必(かなら)ず、秋ありて、なりはひ多きが如し。
もし養生の術をつとめまなんで、久しく行(おこな)はば、身(み)つよく病(やまい)なくして、天年(てんねん)をたもち、長生(ちょうせい)を得(え) て、久しく楽(たのし)まん事、必然のしるしあるべし。
此(この)理(り)うたがふべからず。

意訳

どんなことでも、努力すれば効果があります。例えば、春に蒔いた種を夏によく世話をすれば、必ず秋に必ず多く収穫できます。もし、養生の技術を勤めて学べば、同じように健康で楽しく長生きできる。これは、自然の道理なので疑いようがないのです。

通解

万事を努力せずに放置すると、必ずしるし(その結果)が現れる。逆に、努力すれば、また、良き結果が出る。
例えば、春に種をまいて夏によく育てれば、必ず秋に収穫があり、豊かな成果を得ることができる。
もし養生の術を長く実践すれば、健康を保ちつつ病気を避け、天寿を全うし、長寿を得ることができ、長く幸福に過ごすことができる。このような結果は必然である。
この理は疑うべからず。

「必然のしるしあるべし」とは

「必然のしるしあるべし」という表現は、出来事や現象が何らかの理由や法則に従って発生し、それが予測可能であるという意味を持ちます。この表現は、出来事が偶然ではなく、必然的に発生したと考えられる場合に使用されます。以下にいくつかの例を挙げて説明します。

自然現象:
天候や自然災害に関連して使用されることがあります。たとえば、大雨や風が予報通りに来る場合、それは気象学の法則に従っており、「必然のしるしあるべし」と言えます。これは気象データと科学的な知識に基づいた予測が実現したことを指します。

科学的原理:
科学的実験や研究において、特定の条件や法則に従って結果が得られた場合、「必然のしるしあるべし」と言うことがあります。これは実験結果が特定の理論や仮説と一致することを示すものです。

人間の行動:
人間の行動や意思決定に関連しても使用されます。たとえば、特定の人が常に同じ行動を取る場合、それはその人の性格や傾向に従っており、「必然のしるしあるべし」と言えます。人の行動が予測可能であるときに使われることがあります。

この表現は、出来事や現象がある法則や原因に従って発生するという考え方に関連しており、事象の予測可能性や理解可能性を強調するために使われます。

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