養生訓5

 

身をたもち生を養ふに、一字の至れる要訣(ようけつ)あり。
これを行へば生命を長くたもちて病なし。
おやに孝あり、君に忠あり、家をたもち、身をたもつ、行なふとしてよろしからざる事なし。

意訳

からだを健康にするために、きわめて大切なことがあります。それは、畏れを知る自己管理です。
これを行えば長寿になり、病気にならないのです。
このことは仕事や家族円満など何を行うにしても必要な心得です。

通解

生命を長く保ち、健康を享受するためには、一つの重要な要訣があります。それは「おやに孝あり、君に忠あり、家をたもち、身をたもつ」です。

まず、「おやに孝あり」とは、親に対して孝順であることを意味します。親を大切にし、敬愛し、恩義を返すことが求められます。親に感謝の気持ちを持ち、思いやりを示すことが重要です。

次に、「君に忠あり」とは、上司や指導者に忠誠心を持つことを指します。仕事や社会的な関係において、信頼と忠誠を示すことが重要です。正直で誠実に仕事に取り組み、周囲との信頼関係を築くことが求められます。

さらに、「家をたもち、身をたもつ」とは、自分自身と家族を支えることを指します。経済的な安定を確保し、自己の健康と安全を守ることが重要です。適切な努力や責任を果たし、家庭や自己の福祉を大切にすることが求められます。

これらの価値観や行動指針を心に留め、実践することによって、生命を長く保ち、病気を避けることができるでしょう。親孝行であり、上司や指導者に忠実であり、家庭と自己の安定を大切にすることは、人生を豊かにし、幸福を追求する上でも重要な要素です。

要訣とは

要訣(ようけつ、英: key point)は、特定の事柄や問題の中で、特に重要なポイントや核心的な要素を指す言葉です。要訣は、情報を整理し、重要な部分を強調するために使用されます。要訣を理解することは、複雑な問題やトピックを簡潔に把握し、問題解決や意思決定に役立ちます。

例えば、ビジネスプレゼンテーションの場合、要訣はプレゼンテーションの主要なポイントや重要なメッセージを伝えるのに役立ちます。また、学習や研究の際にも、情報の要約や重要な概念の抽出に要訣を使用することがあります。要訣を把握することは、効果的なコミュニケーションや問題解決に不可欠なスキルです。

「よろしからざる事なし」とは

「よろしからざる事なし」とは、何かを断固として受け入れる、または何かに対して異議を唱えない、といった意味を表します。つまり、何かを確実に受け入れることを示す強調的な表現として使用されます。

例えば、上司がある提案を出した際に部下が「よろしからざる事なし」と応じると、それは提案を全面的に受け入れる意思を表す表現となります。また、何かに対して絶対的な同意や賛成を示す際にも使用されることがあります。

 

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