養生訓125
聖人(せいじん)、やゝもすれば楽をとき給(たま)ふ。わが愚(ぐ)を以て(もって)聖心(せいしん)おしはかりがたしといへども、楽しみは是、人のむまれ付たる天地の生理(せいり)なり。楽しまずして天地の道理(どうり)にそむくべからず。つねに道を以て欲を制して楽を失なふべからず。楽を失なはざるは養生の本(もと)也。
意訳
人生を悠々と楽しむこと。これが、養生の基本です。そのために、養生するのです。養生が義務や戒律になってはいけません。欲を楽しくコントロールして、人生を楽しみましょう。
通解
聖人たちでさえ、時には楽しみを享受することがあります。私たちの愚かな考えでは聖人の心を理解することは難しいとしても、楽しみは宇宙の生命の法則に結びついています。楽しみを感じずに、天地の摂理に逆らうべきではありません。常に道を守り、欲望を制御して楽しみを失うことは避けるべきです。楽しみを失うことなく、養生の本質を実践することが大切です。
気づき
生れてきた目的などを考えると難しくなりそうですが、簡単にいえば、楽しむためと言えるかも知れませんね。そして、楽しむためには、まず、健康が基本でしょうね。養生はそのためにあると思います。
&;