養生訓7

 

これ畏るるは、慎しみにおもむく初なり。
畏るれば、つつしみ生ず。
畏れざれば、つつしみなし。

意訳

畏(おそ)れることは慎みである。
畏れるところから慎みの心がうまれるのである。
畏れないと慎みも生まれない。

通解

畏るるは、慎しみに思いを向けることの初めであり、畏れることによって慎みが生まれます。畏れることで自己を戒め、注意深く行動することが可能になります。

畏れることによってつつしみが生まれます。つつしみとは、慎み深く思いやりのある態度や行動を意味します。自己の欲望や衝動に囚われず、他者や状況を尊重し、配慮することができるのです。

逆に、畏れることを怠ればつつしみは生まれません。無頓着で軽率な行動や言動を繰り返し、他者や状況に対して思いやりを持たずに振舞うことになります。

「畏れないと慎みも生まれない」

「畏れないと慎みも生まれない」という言葉は、恐れや警戒心があることで慎重さや注意深さが生まれるという意味を持ちます。畏れや恐れは、行動や判断において慎重になる要因となり、無謀な行動や軽率な判断を避ける手助けとなります。

この言葉は、リスクを正しく評価し、計画を練る際に恐れを持つことが大切であると示唆しています。恐れがないと、人は自己過信に陥り、思慮深い行動を取らなくなる可能性があります。慎み深い行動は、問題を未然に防ぐのに役立ち、後悔を避けるのに役立つことがあります。

しかし、過度な恐れや不安は、進歩や成長を妨げることがあるため、バランスが必要です。すべてのリスクを避けることはできないため、適切な恐れと慎みの持ち方が重要です。この言葉は、恐れを完全に排除するのではなく、適切にコントロールし、慎重な行動を奨励するものと言えます。

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