養生訓24(巻第一総論上)

「心は、身の主(しゅ)也。しづかにして安からしむべし。身は心の、やつこなり。うごかして労せしむべし。心やすく、しづかなれば、天君(てんくん)ゆたかに、くるしみ、なくして楽しむ。身うごきて労すれば、飲食、滞(とどこ)らず、血気(けっき)めぐりて病なし。」

意訳
生活習慣の改善は、自分の心がけで解決することが多いです。
日常の生活の中で習慣にしてしまえば、苦痛は少なくなります。
軽い労働も健康のためと思えば楽しめます。身体を動かしたら、食欲も出てきて血行もよくなり健康になります。

通解

心は身の主であり、静かにして安らかに過ごすべきです。身体は心が動かします。心が落ち着き静かであれば精神的な安定を得て楽しむことができます。身体を動かして働かせることにより飲食がスムーズに進み血液の循環が良くなり病気を予防することができます。

気づき
過度のストレスが、身体に良くないのは、誰しもが、ご存じのことでしょう。ただ、ストレスは闘争心を掻きたせ向上心の原動力になることもあり、一概に否定も出来ないようです。
同じように、過度の労働は、病気の原因にもなりますが、過度の安逸も、これまた、病気の原因にもなるそうです。