養生訓206

晩食(ばんしょく)は朝食より少くすべし。飣(さい)肉も少きに宜(よ)し。一切の煮たる物、よく熱して柔(やわらか)なるを食ふべし。こはき物、未熟物(みじゅくもの)、煮過(にすご)して、にえばなを失へる物、心にかなはざる物、食ふべからず。我が家にては、飲食の節(せつ)慎(つつし)みやすし、他の饗席(きょうせき)にありては烹調(ほうちょう)・生熟(せいじゅく)の節(せつ)我心にかなはず。飣(さい)品多く過(すぎ)やすし。客となりては殊(こと)に飲食の節(せつ)つつしむべし。

意訳

夕食は、朝食より、量を少なくしたが良いでしょう。煮たものは、柔らかくして食べましょう。堅いものや半煮え、煮すぎ、そして、気にいらないものは食べないようにしましょう。特に、外食時や接待の宴席では、このことに注意しましょう。

通解

晩食は朝食よりも少なく摂るべきです。飣(さい)肉も少量に抑えましょう。煮た料理は全て、しっかりと加熱して柔らかくなるように調理し、食べるべきです。硬いものや未熟なもの、過熱しすぎて風味を失ったもの、自分に合わない食べ物は避けるべきです。自宅では飲食に慎重に注意を払い、他人の招待された席では料理の調理法や加熱具合については、自分の心に合わない場合があるかもしれないことを考慮すべきです。飣品(食材)を過剰に摂取することにも注意しましょう。客として参加する場合は特に、飲食に気をつけるべきです。

気づき

旅行などの日常とは異なる時は、どうしても過食になりやすいですよね。

「にえばな」とは

汁物や煮物などを火にかけた際の煮え始め。沸騰した直後。

「烹調とは

「烹調(ほうちょう)」は、料理や食材を加熱処理し、調理することを指します。この言葉は、食材を調理するための一般的な表現で、食物を美味しく食べられる状態に仕上げるプロセス全般を指します。
烹調にはさまざまな方法があります。以下はいくつかの一般的な烹調方法の例です。

蒸す(むす): 食材を蒸気で加熱する方法。蒸し器を使って行われ、食材が蒸し上がることで調理されます。

炒める(いためる): 高温で少量の油を使って食材を迅速に調理する方法。炒めることによって食材に香ばしさが加わります。

煮る(にる): 水やだしを使用して、低温で食材を煮る方法。スープや煮物がこれに該当します。

焼く(やく): オーブンや鉄板を使用して、食材を加熱する方法。焼くことで表面がこんがりと焦げ、風味が増します。

揚げる(あげる): 油で食材を揚げる方法。揚げることによって、食材はサクサクとした食感に仕上がります。

これらは一般的な烹調方法の一部であり、地域や文化によって異なる方法が存在します。烹調は料理の芸術であり、様々な技術や素材の組み合わせが用いられ、最終的に美味しい料理が完成します。

ちょっとだけ、為になりそうなブログは、こちらから

養生訓

前の記事

養生訓205
養生訓

次の記事

養生訓207