養生訓201

夏月(かげつ)、瓜菓(うりかし)・生菜(せいさい)多く食ひ、冷麺(れいめん)をしばしば食し、冷水(れいすい)を多く飲めば、秋、必ず、瘧痢(ぎゃくり)を病(や)む。凡(およ)そ、病(やまい)は故(ゆえ)なくしてはおこらず。かねてつゝしむべし。食後に湯茶(ゆちゃ)を以(も)って口(くち)を数度(すうど)すゝぐべし。口中(こうちゅう)清(きょ)く、牙歯(がし)にはさまれる物(もの)脱(だっ)し去(さ)る。楊枝(ようじ)にてさす事を用ひず。夜は温(あたたか)なる塩茶(えんちゃ)を以って口をすゝぐべし。牙歯堅固(がしけんご)になる。口をすゝぐには中下(ちゅうげ)の茶を用ゆべし。是、東坡(とうば)が説なり。

意訳

夏に、スイカや生の野菜を多く食べるたり、冷麺や冷たいものを多く飲めば、秋に必ず下痢を伴う発熱が出る病気になります。病気には、原因があるものです。予防が一番です。食後は、お茶で口をすすぎましょう。寝る前に、温かい塩茶で口をすすぎましょう。

通解

夏の季節には、スイカや生野菜を多く摂り、冷麺をよく食べ、冷たい水をたくさん飲むと、秋になると必ず瘧痢(ぎゃくり)という病気にかかることがあります。一般的に病気は何かの原因がなければ起こりません。予防策を常に心掛けることが大切です。食事の後に温かいお茶を口で数度すすぐことで、口内が清潔に保たれ、歯間に詰まった食べ物が取り除かれます。楊枝は使用せずに済ませましょう。夜には温かい塩茶で口をすすぐことで、歯が丈夫になります。口をすすぐ際には中下の濃いめの茶を用いるのが良いです。これは東坡(とうば)の説に基づくものです。

気づき

食後にお茶で口の中を濯ぐことは気軽に出来そうですね。

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