養生訓170(巻第三 飲食 上)

塩と酢と辛き(から)物と、此(この)三味(さんみ)を多く食ふべからず。此三味を多くくらひ、渇(かわ)きて湯を多くのめば、湿(しつ)を生じ、脾(ひ)をやぶる。湯・茶・羹多(あつものおお)くのむべからず。右(みぎ)の三味をくらつて大にかはかば葛(くず)の粉か、天花粉(てんかふん)を熱湯にたてゝ、のんで渇(かわき)をとゞむべし。多く湯をのむ事をやめんがためなり。葛(くず)などのねば湯は気をふさぐ。

意訳

塩と酢と辛い物は、多く食べない方が良いでしょう。これらの多食は喉が渇きます。そして、お湯を多く飲みすぎるのも内臓に良くありません。お湯、お茶、お吸い物の多飲も、いけません。

通解

塩や酢、辛い調味料を多く摂るべきではありません。これらの味を多く摂取し、それによって渇きを感じて多くの水や湯を摂ると、体内に湿気を生じて脾を損ないます。お茶やスープも過度に摂らないようにしましょう。これらの味を摂りすぎた場合は、大さじほどの葛の粉末や、天花粉を熱湯に溶かして飲むことで、渇きを取ることができます。ただし、湯の摂取を過度にすることを避けるために、これらの方法を試してみてください。葛などのねばりのあるものは消化を妨げることがあります。

気づき

塩分は、現代においても高血圧対策として、減塩が推奨されていますね。水分補給の必要性もありますが、過度に飲み過ぎるのも考えた方が良いのかも知れませんね。

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