養生訓171(巻第三 飲食 上)

酒食の後、酔飽(すいほう)せば、天を仰(あおぎて)で酒食の気をはくべし。手を以(もって)面前(めんぜん)及腹・腰をなで、食気(しょくき)をめぐらすべし。わかき人は食後に弓を射、鎗(やり)、太刀(たち)を習ひ、身をうごかし、歩行すべし。労動を過(すご)すべからず。老人も其(その)気体(きたい)に応じ、少(すこ)し労動すべし。案によりかゝり、一処(いっしょ)に久しく安坐(あんざ)すべからず。気血(きけつ)を滞(とどこ)らしめ、飲食消化しがたし。

意訳

食後には、軽い運動をすると消化を助ける作用があります。但し、過度な運動はよくありません。高齢者も、出来る範囲で身体を動かしましょう。同じ姿勢でくつろぎ過ぎるとと消化に良くありません。

通解

飲食の後、飲み過ぎたり食べ過ぎたりすると、酔いや満腹感がある場合、体を仰向けにして、手で顔や腹、腰をなでることで、消化を助けるべきです。若い人は食後に弓や槍、太刀の練習をして身体を動かし、歩行することが良いでしょう。ただし、過度な運動は避け、老人も体調に応じて少しの軽い運動を行うべきです。あまり長時間一か所にじっと座ることなく、気の滞りを防ぎ、飲食の消化を助けることが大切です。

気づき

食後の運動については、若い頃に聞いたことがありましたが、高齢になっても大切なんですね。

酔飽とは

酔飽(すいほう)は、一般的にはお酒を飲んで十分に酔っ払った状態で、更にお腹いっぱいになっている状態を指します。言葉自体は日本語の俗語で、主に飲み会や宴会などでの様子を表現する際に使われます。

この言葉は、「酔っ払っている」と「お腹いっぱいである」という2つの要素を組み合わせたもので、飲みすぎて酔っ払った状態で、それに加えて食べ物を十分に摂った結果、お腹が満たされている状態を表現しています。

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