養生訓166(巻第三 飲食 上)
凡(およ)そ食飲(しょくいん)をひかへこらゆる事、久(ひさし)き間(あいだ)にあらず。飲食する時、須臾(しゅゆ)の間、欲を忍ぶにあり。又、分量(ぶんりょう)は多きにあらず。飯(めし)は只(ただ)二三口、飣(さい)は只一二片(じゅうにへん)、少の欲をこらゑ(え)て食せざれば害なし。酒も亦(また)しかり。多飲(たいん)の人も少こらえて、酔過(よいすぎ)さゞれば害なし。
意訳
一般に、過食をこらえる時間は長くはありません。量も極端に少なくする必要もありません。少しの辛抱です。お酒も同じです。
通解
一般的に、飲食は、わずかな間だけ欲望を我慢するればよいです。また、食べる量も過度に多く必要としません。ご飯はたった2〜3口、ほんの少しの食事を例えば、1〜2口、おかずはひと切れ程度で、少ない欲望を抑えて食べることで良いのです。あと一口を控えましょう。同様に、お酒も同じです。
須臾とは
須臾(しゅゆ) しばらくの間。わずかの間のこと。