養生訓167(巻第三 飲食 上)

脾胃(ひい)のこのむと、きらふ物をしりて、好む物を食(しょく)し、きらふ物を食(しょく)すべからず。脾胃の好む物は何ぞや。あたたかなる物、やはらかなる物、よく熟したる物、ねばりなき物、味淡(あじあわ)く、かろき物、にえばなの新に熟したる物、きよき物、新(あたら)しき物、香(こう)よき物、性平和(せいへいわ)なる物、五味(ごみ)の偏(へん)ならざる物、是皆、脾胃の好む物なり。是、脾胃(ひい)の養となる。くらふべし。

意訳

胃腸に良いものは、温かいもの、柔らかいのも、よく熟したもの、粘りがないもの、淡白なもの、煮えたてなもの、新鮮できれいなもの、香りが良いもの、性格が良いものです。

通解

脾胃が好む食べ物を知り、その好まないものを避けて、好む食べ物を摂るべきです。脾胃が好む食べ物とは、温かいもの、柔らかいもの、よく熟したもの、粘りがなく、味が淡くて軽いもの、新鮮なもの、清らかなもの、新しくて香りの良いもの、性質が平和なもの、五味のバランスが取れたものです。これらはすべて、脾胃の健康を保つために適しています。これらを摂ることで、脾胃の養生になります。適度に食べるよう心掛けましょう。

「五味」とは

「五味」とは、「甘味」、「塩味」、「酸味」、「苦味」、「うま味」を言います。

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