養生訓162(巻第三 飲食 上)
諸獣(しょじゅう)の肉は、日本の人、腸胃薄弱(ちょういはくじゃく)なる故に宜(よろ)しからず。多く食(くらう)ふべからず。烏賊(いか)・章魚(たこ)など多く食ふべからず。消化しがたし。鶏子(けいし)・鴨子(かもし)、丸ながら煮(に)たるは気をふさぐ。ふはふはと俗の称するはよし。肉も菜(さい)も大に切(きり)たる物、又、丸ながら煮たるは、皆気をふさぎてつかえやすし。
意訳
硬い肉やイカ、タコなどは消化が悪いです。肉も野菜も細かくして料理した方が良いでしょう。
通解
日本人は腸胃が薄弱なため、動物の肉を多く摂取することは適していません。肉を過度に摂るべきではありません。イカやタコなども多く摂るべきではありません。これらは消化が難しいです。鶏の子や鴨の子など、まるごと煮ることは体内の気を滞らせることがあります。肉も野菜も大きく切って煮ることや、まるごと煮ることは、どちらも気を滞らせて消化を妨げやすいです。
気づき
日本人は昔から植物性のタンパク質を多く摂取していたと聞いたことがあります。ですから、欧米人より腸が長いため、肉類の消化には向かないそうです。でも、ステーキの肉は美味しいですよね。「好物にたたりなし」とも言いますね。何事も、適度が良いみたいですね。