養生訓161(巻第三 飲食 上)

甚(はなはだ)腥(なまぐさ)く脂(あぶら)多き魚(うお)食ふべからず。魚のわたは油多し。食べからず。なしものことに、つかえやすし。痰を生ず。さし身、鱠(なます)は人により斟酌(すんしゃく)すべし。酢(す)過(すぎ)たるをいむ。虚冷(きょれい)の人は、あたゝめ食(くらう)ふべし。
鮓(すし)は老人・病人食(くら)ふべからず、消化しがたし。殊(こと)に未熟の時、又熟(じゅく)し過(すぎ)て日をへたる、食ふべからず。ゑ(え)びの鮓毒あり。うなぎの鮓(すし)消化しがたし。皆食ふべからず。大(おおい)なる鳥の皮、魚の皮のあつきは、かたくして油多し。食ふべからず。消しがたし。

意訳

なま臭く脂身の多い魚は、食べない方がよいでしょう。魚の内臓は脂肪が多いです。大きい鳥の皮や魚の皮が厚いものは消化が悪いです。

通解

非常に、なま臭くて脂の多い魚は避けるべきです。魚の内臓には多くの油が含まれており摂取しない方が良いです。特に何も調理せずに摂取することは、消化に困難を来すことがあり痰を生じる可能性があります。さし身やなます(鯰)は個々の状態に合わせて摂取するべきです。酢漬けにされたものを選ぶのが良いです。虚弱で体温が低い人は温かいものを摂るべきです。

寿司は老人や病人には適しておらず、消化が難しいです。特に未熟なものや熟し過ぎてしまったもの、長時間置かれたものは摂取すべきではありません。また、エビの寿司は毒があることがあります。ウナギの寿司も消化が難しく、摂取は避けるべきです。大きな鳥や魚の皮は硬くて油分が多く、摂取しない方が良いです。消化が難しいことがあります。

なしもの「鱁鮧 」とは

なしもの「鱁鮧 」は、塩辛 (しおから) または、魚醤 (うおひしお) の事。また、なます「膾・鱠」とは、薄く細く切った生の魚肉を酢に浸した食品を指す。

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