養生訓160(巻第三 飲食 上)
生魚(せいぎょ)、味をよく調(ととの)へて食(しょく)すれば、生気(せいき)ある故、早く消化しやすくしえ、つかえず。煮過(にすご)し、又は、ほして油多き肉、或(あるいは)塩につけて久しき肉は、皆(みな)生気(せいき)なき隠物(いんぶつ)なり。滞(とどこう)やすし。此理(このり)をしらで生魚より塩蔵(えんぞう)をよしとすべからず。
意訳
刺身などの生魚は、生きがいいので消化もよいでしょう。干し肉や塩漬けの肉は、消化が悪いでしょう。これは道理です。
通解
生魚の場合、味をよく調整して食べれば、生気があるために消化が早く進み、消化に困ることはありません。一方、過度に煮たり、または油の多い肉や長く保存された塩漬けの魚肉は、どれも生気がなく、消化が滞りやすいです。
塩蔵とは
塩蔵(えんぞう)とは、食品の保存法の一つで古くから魚介類などの保存に使われている。