養生訓155(巻第三 飲食 上)
すける物は脾胃(ひい)のこのむ所なれば、補(おぎない)となる。李笠翁(りりゅうこう)も本姓(ほんせい)甚(はなはだ)すける物は、薬にあつべしといへり。尤(もっとも)此理(このり)あり。されどすけるまゝに多食すれば、必やぶられ、好まざる物を少し、くらふにおとる。好む物を少食はゞ益あるべし。
意訳
自分の好物は、身体に良いといいます。古人も、「生まれつきの好物は体に良い」と言っています。ただ、過食は禁物です。
通解
好きで身体を助ける栄養豊かな食材は、脾胃に良く受け入れられるため、体を補給する効果があります。李笠翁も、まさに薬と同じようであると言っています。確かにこの考えは正しいです。ただし、過度に多食しないように気をつけることも大切です。好きな食材を少量摂ることで、健康に良い効果を得ることができます。
気づき
食べたいと思う食材があるときは、身体が欲していると聞いたことがあります。ただ、何事も、適度が大切かも知れませんね。