養生訓3(巻第一総論上)

「況(いわんや)大なる身命(しんめい)を、わが物として慎(つつし)まず、飲食(いんしょく)・色慾(しきよく)を恣(ほしいまま)にし、元気をそこなひ病(やまひ)を求め、生付(うまれつき)たる天年(てんねん)を短くして、早く身命を失ふ事、天地父母へ不孝のいたり、愚(おろか)なる哉(かな)。」

意訳

大事な身体を大切にせず、欲望のままに生活したあげく、本来ある命を短くして早死にするのは愚かな行為です。

通解

大切な身体と命を、自分の自由として、飲食や欲望のままに行い、結果、健康を損ない病気になり、生まれ持った天命を短くし早く身体と命を失ってしまうことは、天地と父母への不孝行であり愚かな行為であると言えます。