養生訓200(巻第四 飲食下)
だいこん、菘(すずな)、薯蕷(じょうよ)、芋、慈姑(くわい)、胡蘿蔔(こらふ)、南瓜(かぼちゃ)、大葱白(だいそうはく)等の甘き菜(さい)は、大(おおいに)に切(きり)て煮食(にしょく)すれば、つかへて気をふさぎ、腹痛(ふくつう)す。薄く切べし。或(あるいは)辛(から)き物をくはへ、又、物により酢を少(すこし)加るもよし。再び煮る事を右に記(しる)せり。又、此如(かくのごとく)の物、一時に二三品(にさんぴん)くらふべからず。又、甘き菜(さい)の類、およそつかえやすき物、つヾけ食ふべからず。生魚(せいぎょ)、肥肉(ひにく)、厚味(あつみ)の物(もの)つづけ食(くら)ふべからず。
意訳
大根やカブ、山芋、人参、カボチャ、白ネギなどの甘味のある野菜は、薄く切って食べた方が良いでしょう。また、薬味や酢を少し加えて食べても良いです。そして、つかえやすい野菜や生の魚、脂身の多い肉などは、続けて食べない方が良いでしょう。
通解
大根、すずな、じょうよ、芋、くわい、にんじん、ほぶら、だいそうはくなどの甘味のある野菜は、大きく切って煮て食べると、消化が遅くなり、腹痛を引き起こすことがあります。薄く切って調理すべきです。また、辛味のある食材を加えたり、食材によっては少量の酢を加えることも良いです。再度煮ることが記されています。また、このような食材を同時に2、3品摂るべきではありません。甘味のある野菜類は、一度に多く摂ると消化が難しく、体に負担がかかるため、過度な摂取は避けるべきです。生魚や脂肪の多い肉、重厚な味わいの料理を連続して摂ることも避けるべきです。
気づき
大根も、煮込むときは細かく切った方が煮込みが早いかも知れませんね。