養生訓230

朝夕の食、塩味(しおみ)をくらふ事すくなければ、のんどかはかず、湯茶(ゆちゃ)を多くのまず。脾胃(ひい)に湿(しつ)を生ぜずして、胃気(いき)発生しやすし。中華、朝鮮の人は、脾胃(ひい)つよし。飯(めし)多く食(しょく)し、六畜(ろくちく)の肉を多く食(くら)つても害なし。日本の人は是にことなり、多く穀肉(こくにく)を食(しょく)すれば、やぶられやすし。是(これ)日本人の異国の人より体気(たいき)よはき故(ゆえ)也。

意訳

塩分の少ない食事は、喉の渇きが少ないので胃腸に良いです。他国の人は肉食に歴史がありますが、日本人はありませんので多食しない方が良いでしょう。

通解

朝と夕の食事は、塩分を控えて摂ることが重要です。多量の塩分を摂らずに、かわりに湯やお茶を多く摂ることで、脾臓と胃の湿気を生じずに胃の消化を促進できます。中国や朝鮮の人々は、通常脾臓と胃が強く、多くの食事や肉類を摂っても問題ありません。一方、日本の人々は異なり、穀物と肉類を多く摂ると消化不良になりやすい傾向があります。これは日本人が他国の人々と体質が異なるためです。

気づき

昔から、日本人は塩分多めの食生活だったんですね。減塩は必要ですね。

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