養生訓196(巻第四 飲食下)
諸菓(しょくか)、寒具(ひがし)など、炙(あぶり)食へば害なし。味も可(か)也。甜瓜(あまうり)は核(さね)を去て蒸食(むししょく)す。味よくして胃をやぶらず。熟柿(じゅくし)も木練(こねり)も皮共(かわとも)に、熱湯(ねっとう)にてあたヽめ食(しょく)すべし。乾柿(ほしがき)はあぶり食ふべし。皆、脾胃虚(ひいきょ)の人に害なし。梨子(なし)は大寒(だいかん)なり。蒸し煮(に)て食(しょく)すれば、性(せい)やはらぐ。胃虚寒(いきょかん)の人は、食(くら)ふべからず。
意訳
様々な果実や干し柿などは、あぶって食べる方が胃にやさしいでしょう。梨は、蒸して食べた方が良いでしょう。
通解
各種の菓子や寒天などを炙って食べることは害はありません。味も美味しいです。甘瓜(あまうり)は種を取り除いて蒸して食べると、美味しくて胃に負担をかけずに済みます。熟した柿や木練も皮ごと、熱湯に浸けてから食べると良いです。乾燥した柿は炙って食べると良いです。これらの食べ物は、脾胃虚弱の人には害がありません。
梨子は寒の時期に旬を迎えます。蒸して煮て食べると、その性質がやわらぎます。しかし、胃虚寒の人は梨子を食べるのは避けるべきです。
気づき
果物も、温めて食べる方法もあるのでしょうね。