養生訓195(巻第四 飲食下)
菘(すずな)は京都のはたけ菜(な)、水菜(みずな)、いなかの京菜(きょうな)也。蕪(かぶら)の類也。世俗(せぞく)あやまりて、ほりいりなと訓(くん)ず。味よけれども性(せい)よからず。仲景(ちゅうけい)日(いわく)、「薬中(やくちゅう)に甘草(かんぞう)ありて、菘(すずな)を食へば病(やまい)除かず。根は九十月の比(ころ)食(くら)へば味淡(あじあわく)くして可(か)也。うすく切てくらふべし、あつく切たるは気をふさぐ。十一月以後、胃虚(いきょ)の人くらへば滞塞(たいそく)す」。
意訳
すずなは、薄く切って食べましょう。
通解
「菘(すずな)」とは、京都では「はたけ菜(な)」や「水菜(みずな)」、地方では「京菜(きょうな)」とも呼ばれる野菜のことです。蕪(かぶら)の仲間です。一般的には誤って「ほりいりな」と訓読みされることもあります。味は良いですが、体性には適さないとされています。
すずなは薄く切るべきで、厚く切ると消化を妨げます