養生訓218

菘(な)は京都のはたけ菜(な)、水菜(みずな)、いなかの京菜(きょうな)也。蕪(かぶら)の類也。世俗(せぞく)あやまりて、ほりいりなと訓(くん)ず。味よけれども性(せい)よからず。仲景(ちゅうけい)日(いわく)、「薬中(やくちゅう)に甘草(かんぞう)ありて、菘(すずな)を食へば病(やまい)除かず。根は九十月の比(ころ)食(くら)へば味淡(あじあわく)くして可(か)也。うすく切てくらふべし、あつく切たるは気をふさぐ。十一月以後、胃虚(いきょ)の人くらへば滞塞(たいそく)す」。

意訳

古代中国の名医が、甘草と菜の花は、あまり相性が良くないと言っています。

通解

「菘(な)」とは、京都では「はたけ菜(な)」や「水菜(みずな)」、地方では「京菜(きょうな)」とも呼ばれる野菜のことです。蕪(かぶら)の仲間です。一般的には誤って「ほりいりな」と訓読みされることもあります。味は良いですが、体性には適さないとされています。

仲景は次のように述べています。「薬中に甘草があり、菘を食べても病を除きません。根は九十月に食べると味は淡くて良いですが、あまり厚く切ると気を詰まらせます。十一月以降、胃の虚弱な人が食べると滞りが生じます。」

現代の視点から言えば、菘(な)は味は美味しいものの、一部の成分が医薬品である甘草と相互作用するため、過度に摂取することは避けるべきです。また、季節や体質に合わせて摂取することが大切です。

気づき

京菜とは、京都付近で古くから栽培されているアブラナ科アブラナ属の野菜で、別名「ヒイラギ菜」と呼ばれているそうですよ。

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