養生訓191(巻第四 飲食下)
瓜(うり)は風涼(かぜすずしき)の日、及(および)秋月清涼(しゅうげつせいりょう)の日、食ふべからず。極暑(ごくしょ)の時食ふべし。炙(あぶり)もち・炙肉(あぶりにく)すでに炙(あぶ)りて、又、熱湯(ねっとう)に少ひたし、火毒(かどく)を去(さ)りて食(くら)ふべし。然(さ)れずは津液(しんえき)をかはかす。又、能喉痺(よくこうひ)を発(はっ)す。
意訳
スイカなどは、夏の暑い時に食べた方が良いでしょう。秋の冷える日などに食べない方が良いでしょう。熱い焼餅や焼肉は、熱いうちに食べるのは良くないでしょう。そうでないと唾液が渇き、慢性の喉の病気を発症するおそれがあります。
通解
瓜は、風が涼しい日や秋の清涼な日に食べるべきではありません。極端に暑い日に食べるのが適しています。もちも炙ったり、肉も事前に炙ってから、さらに熱湯に少し浸けることで、火毒を除いて食べるべきです。これによって、体内の津液が保たれます。ただし、過度に摂取すると喉の不調を引き起こす可能性もあります。
気づき
熱い物は、美味しく感じますが、幾分、冷ました方が良いのでしょうね。
秋月清涼とは
秋月清涼とは、文字通りには「秋の月が澄んで涼しい」といった意味があります。これは、秋の夜空に輝く月が透明感があり、涼しさや清らかさを感じさせる様子を表現した言葉です。この表現は、日本の文学や詩歌などでしばしば用いられ、季節感や風情を表現する際に使われます。秋は日本の季節の中で特に美しいとされ、秋の夜空に輝く月はその美しさを象徴しています。