養生訓190(巻第四 飲食下)
夏月(かげつ)、器中(きちゅう)にふたをして、久しくありて、熱気(ねっき)に蒸欝(むしうつ)し、気味悪(きみあ)しくなりたる物、食ふべからず。冬月(とうげつ)、霜(しも)に打れたる菜(な)、又、のきの下に生じたる菜、皆くらべからず。是(これ)皆(みな)陰物(いんぶつ)なり。
意訳
夏に、食べ物を長く放置して、味が悪くなったり、香りに違和感がある場合には食べない方が良いでしょう。冬に、霜に打たれた野菜なども食べない方が良いでしょう。
通解
夏の季節には、器の中に蓋をして長時間保管された食べ物が、熱気によって蒸れてしまい、消化に悪影響を与え、不快な気分を引き起こすことがあります。したがって、これらの食べ物は避けるべきです。冬の季節には、霜に打たれたり、木の下で育ったりした野菜も同様に避けるべきです。これらもまた、陰気を帯びた食べ物であるとされます。
気づき
夏は、特に注意が必要かも知れませんね。