養生訓82
「萬(よろず)の事、一時(いちじ)心に快(こころよ)き事(こと)は、必ず、後(かならずのち)に殃(わざわい)となる。
酒食(しゅしょく)をほしゐまゝにすれば快けれど、やがて病となるの類なり。
はじめにこらゆれば必ず、後(のち)のよろこびとなる。
灸治(きゅうじ)をしてあつきをこらゆれば、後(のち)に病なきが如し。
杜牧(とぼく)が詩(し)に、忍(しのび)過ぎて事(こと)喜ぶに堪(こた)えたりと、いへるは、欲をこらえすまして、後(のち)は、よろこびとなる也。」
意訳
すべての事において、一時の快楽は、のちの災いの種になります。美食を、思いのまま食べれば過ぎれば病気のもとになります。養生を習慣化すると苦痛にならず健康になって喜びに変わります。お灸と同じです。
通解
あらゆることにおいて、一時の快楽に心を奪われると、必ず後で災いが訪れます。例えば、飲食や欲望を追求することで一時的に快感を得るかもしれませんが、その後に病気として現れることがあります。同様に、初めは喜びを感じるかもしれませんが、その後に苦労が待っていることもあります。
たとえば灸治療をして一時的な痛みや不快感を我慢することで、後に健康を保つことができるという考え方もあります。また、詩人の杜牧が詩で表現したように、忍耐して一時の快楽を我慢し、後で大きな喜びを感じることができる場合もあります。このように、欲望を抑えて長期的な視野で物事を考えることが大切です。
気づき
「おいしい料理が目の前に出されれば、誰しも我慢できるものではない。」と思うのは私だけでしょうか?
ですから、私の場合は、そのような場所や縁する所には行かないようにしています。
自炊は経済的にも栄養面でも比較的に管理でき、脳トレにもなるそうですね。