養生訓57(巻第一総論上)

「其(その) 気(き)上(うえ)に滞(とどこう) れば、頭疼眩暈(とうとうげんうん)となり、中に滞れば亦(また)腹痛となり、痞満(ひまん)となり、下(した) に滞(とどこう) れば腰痛(ようつう) ・脚気(かっけ)となり、淋疝痔漏(りんせんじろう)となる。
此故(このゆえ)によく生(せい)を養ふ人は、つとめて元気の滞(とどこう)なからしむ。」

意訳

生活の乱れで気分が重くなり、運動不足で血液の循環が悪くなると頭痛やめまい腰痛や脚気、腹痛や痔ろうになったりします。
ですから、ほどよい運動や食生活の改善をして、生活習慣を整えましょう。

通解

その気が上に滞ると頭痛やめまいの症状が現れ体の中に滞ると腹痛や痞満(胃もたれのような感じ)が生じ下に滞ると腰痛や脚気となり、また淋病や疝痛、痔、漏症(排尿のコントロールが難しい状態)となることがあります。

したがって、健康を大切にする人は、気の流れを滞らせないように注意する必要があります。

気づき

心配事が多くあると、ついつい気がめいり、身体の動きが鈍くなり、運動不足になりがちですよね。

そんな時には、部屋の整理や掃除をして、身体を動かしてみるのも良いかも知れませんね。