養生訓77

「又、体気(たいき)よはく、飲食すくなく、常に病多くして、短命ならんと思ふ人、かへつて長生(ちょうせい)する人多し。
是(これ)よはきをおそれて、つつしむによれり。
この故に命の長短は身の強弱によらず、慎(つつしむ)と慎(つつ)しまざるとによれり。白楽天(はくらくてん)が語(ご)に、福(ふく)と禍(わざわい)とは、慎と慎しまざるにあり、といへるが如し。」

意訳

また、身体が弱く、食欲も少なく、常に病弱な方が、長生きする場合があります。
これは、自分の身体のことを良く理解しているからです。
ですから、寿命は、生まれつきではなくて、自己を管理し、コントロールすることで変わります。

通解

また、体力が強くても、飲食を控え、常に病気に悩み、命が短くなると思う人々の中には、逆に長寿となる人々も多いです。これは恐れを抱いて注意深く生活する結果です。このため、命の長さは身体の強さや弱さに依存せず、注意深さと注意不足によって決まるのです。白楽天が言ったように、福と災いは注意深さと注意不足によって生じるものであり、その通りと言えるでしょう。

気づき

貝原益軒 先生自身も、幼い頃から、病弱で早世するだろう言われていたそうです。

そして、成人してからも、文献によれば、病弱だったそうです。

病弱だったからこそ、自分の身体に注意を払い、健康に生きるための研鑽を怠らなかったのかも知れません。

結果として、八十すぎまで、健康で長生きし、「養生訓」も 著すことができものと思います。

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