養生訓53(巻第一総論上)
「養生の道なければ、生れ付つよく、わかく、さかんなる人も、天年をたもたずして早世する人多し。
是(これ)天のなせる禍(わざわい)にあらず、天年とはみづからなせる禍也(なり)。云(いい)がたし。
つよき人は、つよきをたのみてつつしまざる故に、よはき人よりかへつて早く死す。」
意訳
世の中には、生まれつき身体が強く健康的な方が、思いがけず早く亡くなることがあります。
これは、天命とは言い難いです。身体が強い人は、強いがゆえに養生する意識が低いため弱い人より早死にすることがあります。
通解
養生の方法を守らないと元気で若く活発な人でも天寿を全うせずに早世することが多いです。
これは天からの災厄ではなく自らの行動によるものです。
生まれつき体がつよい人は自分が強いと信じて注意深く行動しないため元来虚弱な人々よりも早く死ぬことがあります。
気づき
昔から、「一病息災」とも言います。
これは、これまで病気らしい病気もなく健康な人よりも、一つぐらい持病があるほうが健康に気を配り、かえって長生きするということだそうです。
そして、大病を経験された方も健康に気を使うため長生きの可能性が増すそうです。
出来れば、大病も、持病も無いままで健康に注意したいですね。