養生訓44(巻第一総論上)

「是(これ) 養生の術を,しらざる人のうたがひ、むべなるかな。養生の術は、安閑(あんかん)無事なるを専(もっぱら)とせず。
心を静にし、身をうごかすを,よしとす。身を安閑にするは、かへつて元気とどこほり、ふさがりて病を生ず。

意訳
もっともな質問です。
養生とは、心を安定させ、身は動かすことにあります。
どちらも、努力が必要です。身を動かさないことは逆に良くありません。

通解

養生の基本を知らない人にとっては、もっともな質問です。
本来、養生の術とは、ただ安閑無事に過ごすことだけを追求するのではなく心を静めつつ身体を動かすことを基本とします。
なぜなら、身を安閑にすることは元気が衰え体調が悪くなることがあるからです。
ですから、心身ともに活動的に過ごすことが健康を保つためには大切な要素となります。