養生訓49

「身体は、日々少づつ労動すべし。久しく安坐すべからず。毎日飯後に、必ず庭圃(ていほ)の内、数百足(ぽ)しづかに歩行すべし。
雨中には室屋(しつおく)の内を、幾度も徐行(じょこう)すべし。
此如(かくのごと)く日々朝晩(ちょうばん)運動すれば、針・灸を用ひずして、飲食・気(きけつ)血の滞(とどこうり)なくして病なし。
針灸をして熱痛(ねっつう)甚(はなはだ)しき身の苦しみを、こらえんより、かくの如くせば、病なくして安楽なるべし。」

意訳

身体は少しでも動かしたほうがいい。長く同じ姿勢はしいないほうがよい。特に、食後は、数百歩でもよいから歩いたほうがよい。
雨が降っているときには、室内を歩くだけでもよいです。生活習慣の中で日々日常に取り入れれば、病院に行かなくてもよい身体になります。

通解

身体は日々少しずつ労働することが大切です。長時間座っていることは避け、毎日食後には必ず庭園や庭先で静かに数百歩歩行するべきです。雨の日でも室内を何度もゆっくり歩くことが良いでしょう。

このように日々朝晩に運動をすることで、針や灸を使わずに飲食や気血の流れが滞らず、病気を防ぐことができます。針や灸を受けて熱痛などの苦しみを我慢するよりも、このような生活を実践すれば、病気なく安楽に過ごすことができるでしょう。

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