養生訓12(巻第一総論上)

「凡(およそ)養生の道は、内慾(ないよく) をこらゆるを以(もって)本とす。
本を,つとむれば、元気つよくして、外邪をおかさず。
内慾を、つつしまずして、元気よはければ、外邪に、やぶれやすくして、大病となり天命(てんめい)を、たもたず。
内慾を、こらふるに、其(そ)の大なる条目(じょうもく)は飲食を、よきほどにして過さず、脾胃(ひい)を、やぶり病を発する物を、くらはず、

色慾をつつしみて、精気(せいき)を惜しみ、時ならずして臥(ふ)せず、久しく睡(ねむ) る事を、いましめ、久しく安座(あんざ)せず、
時々、身をうごかして気をめぐらすべし。」

意訳
養生の基本は、自分自身の欲望をコントロールすることにあります。
この基本を守れば、気候や環境に負けない身体を作ることが出来ます。
そして、このコントロールを疎かにすれば、体調を悪くし、環境の変化に順応出来なくなります。
例えば、食べ過ぎず、不規則な睡眠や同じ姿勢でいることは良くないです。
そして、適度な運動とストレス解消をしたほうがよいです。

通解

養生の道は、内なる欲望を抑えることを基本とします。内なる欲望を抑えれば、元気が強くなり、外からの邪気にも影響されません。
内なる欲望を抑えるためには、以下の大きなポイントがあります。
まず、飲食を適度にして無駄にすることなく消化器官を傷つけるような食べ物を控えることです。
また、色欲を抑えて精気を大切にし不適切な時に長時間寝たりせず適度に身体を動かして気を巡らせることが大切です。

気づき
欲望をコントロールすることの難しさは、誰しもが感じることだと思います。
ただ、日常生活において、このことを意識している場合としない場合とは、結果が異なることも、また、事実です。
まずは、軽い散歩からでも、いいかも知れませんね。