養生訓393

上中部(じょうちゅうぶ)の丸薬(がんやく)は早く消化するをよしとす。故に、小丸(しょうがん)を用(もち)ゆ。早く消化する故(ゆえ)也。今、新(あらた)なる一法(いつぽう)あり。用ゆべし。末薬(まつやく)をのりに和(わ)して、つねの如くに丸(がん)せず、線香(せんこう)の如く、長さ七八寸(しちはっすん)に、手にて、もみて、引(ひき)のべ、線香(せんこう)より少(すこし)大にして、日(ひ)にほし、なまびの時、長さ一分余に、みじかく切て丸せず、其(その)まゝ日(ひ)に、ほすべし。是(これ)一づゝ丸 (がん) したるより消化しやすし。上中部(じょうちゅうぶ)を治(ぢ)するに、此法(このほう)宜(よろ)し。下部(かぶ)に達する丸薬(がんやく)には、此法(このほう)宜(よろ)しからず。此法、一粒(ひとつぶ)づゝ丸(がん)ずるより、はか行きて早く成(な)る。

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