養生訓392

大便(だいべん)、瀉(しや)しやすきは、大(おお)いにあしし。少(すこし)秘(ひ)するはよし。老人(ろうじん)の秘結(ひけつ)するは寿(じゅ)のしるし也。尤(もっとも)よし。然(しかれ)共(ども)、甚(はなはだ) 秘結(ひけつ)するはあしし。およそ人の脾胃(ひい)につかえ、食滞(しょくとどこおり)り、或(あるいは)腹痛(ふくつう)し、不食(ふしょく)し、気塞(ふさが)る病(やまい) する人、世(よ)に多し。是(これ)多くは、大便(だいべん)通じがたくして、滞(とどこお)る故しかり。つかゆるは、大便(だいべん)つかゆる也。大便(だいべん)滞(とどこう)らざるやうに治(ぢ)すべし。麻仁(まにん)、杏仁(あんにん)、胡麻(ごま)などつねに食すれば、腸胃(ちょうい)うるほひて便結(べんけつ)せず。

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