養生訓378

生姜(しょうが)は薬(くすり)一服に一片(ぺん)、若し風寒発散(ふうかんはっさん)の剤(ざい)、或(あるいは)痰(たん)を去(さ)る薬には、二片(にへん)を用ゆべし。皮を去(さる)べからず。かわきたるとほしたるは用(もちい) るべからず。或曰(あるいはいわく)、生姜(しょうが)補湯(ほとう)には二分、利湯(りとう)には三分、嘔吐(おうと)の症には四分(よんぶ)加ふべしと云(いう)。是(これ)生(なま)なる分量(ぶんりょう)なり。棗(なつめ)は、大(だい)なるをゑ(え)らび用(もち)ひてたねを去(さり)、一服に半分(はんぶん)入(い)れ用(もち)ゆべし。つかえやすき症 (やまい) には去(さる)べし。利湯(りとう)には、棗(なつめ)を用べからず。中華の書には、利湯にも、方(ほう)によりて棗(なつめ)を用(もち)ゆ。日本の人には泥(なず)みやすし、加(くわ)ふべからず。加(くわ)ふれば、薬力(やくりき)ぬるくなる。中満(ちゅうまん)、食滞(しょくたい)の症(やまい)及(および)薬のつかえやすき人には、棗(なつめ)を加(くわ)ふべからず。龍眼肉(りゅうがんにく)も、つかえやすき症(やまい)には去(さる)べし。

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