養生訓331(巻第七 用薬)
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良医の薬を用(もちい)るは臨機応変(りんきおうへん)とて、病人の寒熱虚実(かんねつきょじつ)の機(き)にのぞみ、其時の変に応じて宜(よろしき)に従(したが)ふ。必(かならず)一法(いっぽう)に拘(かか)はらず。たとへば、善(よ)く戦(たたか)ふ良将(りょうしょう)の、敵に臨(のぞ)んで変(へん)に応ずるが如し。かねてより、その法を定めがたし。時にのぞんで宜(よろしき)にしたがふべし。されども、古法(こほう)をひろくしりて、その力を以(もって)今の時宜(じぎ)にしたがひて、変に応ずべし。
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