養生訓354
良医の薬を用(もちい)るは臨機応変(りんきおうへん)とて、病人の寒熱虚実(かんねつきょじつ)の機(き)にのぞみ、其時の変に応じて宜(よろしき)に従(したが)ふ。必(かならず)一法(いっぽう)に拘(かか)はらず。たとへば、善(よ)く戦(たたか)ふ良将(りょうしょう)の、敵に臨(のぞ)んで変(へん)に応ずるが如し。かねてより、その法を定めがたし。時にのぞんで宜(よろしき)にしたがふべし。されども、古法(こほう)をひろくしりて、その力を以(もって)今の時宜(じぎ)にしたがひて、変に応ずべし。
養生訓(意訳)
良医は、知りたる己のあらゆる知識を使い、病に対し、時に応じて、臨機応変に対応する。
通解
良い医者は、病人の寒熱や虚実の状態を見極め、その瞬間の変化に応じて適切に対応する必要があります。一つの方法に固執するのではなく、柔軟に対応することが重要です。まさに、戦闘において優れた将軍は、敵に立ち向かう際に柔軟に対応するものです。以前からその方法を厳密に定めることは難しいです。そのため、その時々で適切に対応する必要があります。しかし、古くからの経験や知識を広く学び、それを現在の状況に応じて適切に利用するべきです。

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