養生訓349

医術も亦(なお)、其(その)途(みち)多端(たたん)なりといへど、其要(そのよう)三あり。一には病論(びょうろん)、二には脈法(みゃくほう)、三には薬方(やくほう)、此三(そのさん)の事をよく知べし。運気(うんき)、経絡(けいらく)などもしるべしといへども、三要(さんよう)の次(つぎ)也。病論(びょうろん)は、内経(ないけい)を本とし、諸名医(しょめいい)の説を考ふべし。脈法(みやくほう)は、脈書数家(みゃくしょすうけ)を考ふべし。薬方(やくほう)は、本草を本として、ひろく諸方書(しょしょほうしょ)を見るべし。薬性(やくせい)にくはしからずんば、薬方(やくほう)を立がたくして、病に応ずべからず。又、食物の良否(りょうひ)をしらずんば、無病有病(むびょうゆうびょう)共に、保養(ほよう)にあやまり有べし。薬性(やくせい)、食性(しょくせい)、皆本草(ほんそう)に精(くわ)からずんば、知がたし。

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