養生訓282(第六巻 慎病)

飲食、色慾の肉欲(にくよく)を、ほしゐ(い)まゝにせずして、かたく慎み、風寒暑湿(ふうかんしょしつ)の外邪(がいじゃ)をおそれ防(ふせ)がば、病なくして、薬を用(もち)ひずとも、うれひなかるべし。もし慾をほしゐままにして、つゝしまず、只、脾腎(ひぞう)を補(おぎな)ふ薬治(やくじ)と、食治(しょくじ)とを頼(たの)まば、必(かならず)しるしなかるべし。

気づき

飲食や色欲の快楽にふけることなく、慎み深く過ごし、風寒暑湿など外部からの悪影響を恐れ防げば、病気になることなく、薬を使用する必要もなく、幸せに生きること述べられています。そして、もし欲望に従い、節制せずに、薬などに頼っても必ずしも良い効果は現れないでしょうとも述べられています。

この文は、健康を保つためには節制や慎みが重要であり、欲望に振り回されずに自己管理をすることが大切だと示唆されています。

dav